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雑事考 ~ヒマだったので色々考えてみた~ No.2 カチューシャ

雑事考 ~ヒマだったので色々考えてみた~

ライター「一ノ谷直実」氏が連ねる駄文の1シリーズ。多くはヒマつぶしのために考え始めたという意味の分からない動機で書かれています。しかし、せめて世に出すからにはそれなりのものにしようと頑張って書いたものでもあります。

早いもので、雑事考シリーズも第2回。今回は、一度完成を見たもののついに世に出ることのなかった作品をご紹介します。とあるアニメで、子供のころ聞いた曲の題名を知った事が考えるきっかけとなったのだとか・・・。長き雌伏の時から目覚めた作品をどうぞご堪能ください!

 

No.2 カチューシャ

カチューシャと言えば、我々はCの形状をしたヘアバンドの一種を思い浮かべるかと思いますが、それは日本だけの発想です。なぜなら、この単語は和製外来語と言う奴で、英語ならば「アリスバンド」(Alice band)と呼ばれるものなのです。では、なぜ日本でカチューシャという呼び名が定着したのか、それは遠くロシアまで求める事ができます。

 

由来

まず、カチューシャとはロシアの人名から来たものです。しかし、それは人名だからと言って戸籍に登録されるようなものではありません。とあるロマノフ朝の大女帝の名前としても知られる女性の名前「エカチェリーナ」。その愛称の一つで、最も砕けた言い方をしたものの一つがカチューシャなのです。

ロシアの文豪L・トルストイは、この名を持つヒロインを自身の長編「復活」に登場させました。大正時代の日本でこれを演劇として上演した際、名女優松井須磨子らが演じるカチューシャが人気を博し、彼女の歌う「カチューシャの歌」をはじめとした、カチューシャにまつわるものが流行しました。例のヘアバンドもその流行の一部として日本に広まりました。流行に演劇の内容そのものの関係はないとする見方もありますが、結果としてこの演劇により「カチューシャ」というヘアバンドとその呼び名が日本に定着したのは間違いないと思われます。

カチューシャ (ロシア民謡)

日本でカチューシャと言えばもう一つ。一昔前にはロシアが誇る世界的ゲーム「テトリス」の挿入曲の一つとして、近年にはドラマのBGMやアニメの挿入歌として話題を呼んだロシアの楽曲「カチューシャ」です。

この曲は日本ではよく民謡として紹介されますが、どちらかと言うと歌謡曲と言ったほうが近いと思われます。なぜなら民謡と言うには新しく、比較的広く歌われているからです。

この曲は元々様々な歌詞やメロディーで歌われており、それこそ民謡の様な物であったのを、第二次大戦直前の1938にイサコフスキーの作詞とブランデルの作曲によって今の原型に整えられたとされる曲です。

さらに戦中に4番の歌詞が付け加えられ、国境警備隊員を恋人に持つ娘「カチューシャ」が春の川辺で恋人を思って歌う姿を描いたという形が出来上がりました。これがロシア軍内で流行し、自軍のロケット自走砲の愛称にこの名がつけられるなど人気を博しました。

このように、軍歌と恋愛歌という一見相容れぬ要素を持つ曲ですが、同じような要素を持つ曲がドイツの「エリカ行進曲」等見られます。思うに、戦争という非日常からの逃避として、いたって平和で牧家的な歌が好まれたのではないかと考えられます。

また、この二つの曲は第二次大戦中という同時期に、軍歌としてよく歌われた曲であり、このような曲が敵対する独ソ両陣営で歌われていた事は非常に感慨深いものです。

世界、日本へ

戦中及び戦後、この歌は世界多数の言語で歌われました。それは単なる文化的流行であったり、政治的闘争のテーマとしてであったり様々です。日本には戦後に様々な外国文化の1つとして流入し、当時人気だった歌声喫茶や「うたごえ運動」などで歌われて人気を博しました。

日本語訳は、関鑑子訳の物が広く知られていますが、それら日本語訳のほとんどは4番つまり「国境警備隊員の恋人」に関する部分が存在しません。何故かを考えてみるに、往々にして、当時の外国音楽の邦訳歌詞は曲の調子に合わせて付けられている物が多く、なかなか原型を留めているとは言い難いのです。

この曲の1~3番の歌詞も例に漏れずそのような訳がつけられています。よって、音楽としての整合性を高めるために削られたという事も十分考えられます。しかし、この曲に関してはそれではなぜか説明できないものがあるように思えます。

恐らく、戦後まもなくの戦争に対する一種の忌避であるとか、非音楽的な考慮がなされているのではないかとも思えてもくるのです。

「もはや戦後ではない」の言葉からも数十年が経過した現在ですが、上記の通り、平和の象徴ともいえる文化と共に今なお世界中で流れ続けています。しかし、そのマイナーコードの曲調と歌詞からは、激動の時代の厳しさと辛さが聞こえてくるかのようです。

 

カチューシャ(AKBの曲)

日本でカチューシャと言えばやはりこれは外せないでしょう。

AKBさんのEverydeyカチューシャ。民謡のカチューシャとはインターネットの検索順でライバルのような関係になっています(おそらく)。やや暗い雰囲気で、故郷や美しい少女の「情景」を歌う民謡のカチューシャに対し、この曲は男性視点で意中の女性の「事」をまぶしいほどの明るさで歌い上げた曲となっています。

この曲ではカチューシャが意中の女性の「天使の輪っか」と表現を受けて登場します。また、この曲名には「Everyde」と付き、「カチューシャガール」なる歌詞も見受けられます。この事から、カチューシャガールは毎日のようにカチューシャをつけており、彼女に好意を寄せている男性は毎日のように彼女を目にしているのだろうと推察できます。

そこでこんな物語を考えてみました。

男性は意中のカチューシャガールと毎日のように顔を合わせることができる幸せな奴です。しかし、大方の恋愛話同様その思いはいまだ胸の内。

思いを伝えたいという気持ちを持ちつつも、「彼女を毎日眺められるだけで幸せ」と自分を言い聞かせて尻込みしています。それは

確かなことなど
何もほしくはないよ
無邪気なままで来年も海に来られたら

という歌詞からも察することができます。

男性「来年もこのまま海に来られたら・・・」

どうでしょうか、ここまで一途に女性を思ってきたならば、外され頭上に掲げられたカチューシャも「天使のわっか」に見えてしかるべき物かもしれません。

AKBの曲、特に歌詞について思うことがあるならば、すさまじいまでのジョブナイル感だと思います。Everydayカチューシャは、AKBを代表する曲の一つとされています。この曲をAKBの代表曲とするには、まさしくうってつけの曲であるように思います。

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