よくきたねぇお兄さんお姉さん。前回の続きの話を聞かせてあげるよwゆっくり聞いておくんなさい。なあに、時間を無駄にはさせないよ・・・w
それでは・・・
たいようのいえ
比較的新しい作品。あまり癖のない絵で描かれたホームコメディーです。
家族とは何かというテーマで描かれた作品です。前回紹介した『赤ちゃんと僕』と似たようなテーマですが、少女漫画的様子はより強くなっています。特に恋愛描写は少女漫画らしく豊富で、いわゆる「胸キュン」要素が盛沢山です。絵柄以外は王道な少女漫画と言えるでしょう。巻数も少なめなので、少女漫画慣れしていない人には無難な作品と言えるでしょう。
作者 タアモ 発行元 講談社 掲載誌 デザート 連載年 2010~2015
ポーの一族シリーズ

写真はフラワーコミックの物
短編少女漫画の傑作。複数のシリーズで構成されている作品で、今年40年ぶりに新編が発表され話題を呼んでいます。
ヴァンパイアを題に取った作品で、ヨーロッパ的ファンタジーの世界を少女漫画的心理描写を用いて描き人気を呼びました。ヴァンパイアがテーマということもあり、全体的に物悲しい雰囲気を有しています。ただ、短編としての人気が高いだけあってストーリーはなかなかの物です。
作 萩尾 望都 発 小学館 掲 別冊少女コミック 年 1972~1976 2017
山田太郎ものがたり
題名から受けるイメージはまさしくストレートそのものといった作品。しかし、中身は少女漫画らしい描写が多く、そのギャップと斬新な設定とで話題を呼びました。
主人公の山田太郎を中心とするホームコメディー。少女漫画で言う所の「王子様」にスポットライトを当てた作品です。周囲から思われている事と現実のギャップがなんともシュールで、笑えます。性質上ドラマ映えするらしく、日本でのみでなく台湾でもドラマ化されました。ちなみに、日本版における山田太郎役は嵐の二ノ宮君です。
作 森永 あい 発 角川書店 掲 Asuka 年 2000 2007~
動物のお医者さん
動物漫画という異色の作品。2000万部以上の売り上げを叩き出した実力派でもあります。
動物に関しては絵柄はリアル志向。動物の感情を、動きだけでなく吹き出しも使って表現する等、趣向を凝らした表現が特徴。モデルとなった大学の学部の志望者数や、シベリアンハスキーのブームを作り出す等社会に与えた影響も大きなものです。基本的に一話読み切りなのでサクサクと読める点も評価のポイントになるでしょう。ほかの少女漫画と同じく、この作品もドラマ化しています。
作 佐々木 倫子 発 白泉社 掲 花とゆめ 年 1987~1993
スケバン刑事
ドラマとして有名なスケバン刑事も、原作は少女漫画でした。スケバンと刑事という、一見混ざり合うことのなさそうな存在が混ざり合った事によるインパクトは絶大なものです。
派手なアクション表現も人気で、硬派漫画に近いストーリーと見事にマッチしています。次第にどんどんとぶっ飛んだ展開になっていく点も、これからどうなるんだという感情を描き立たせてくれます。ただ、やはりどうしてもドラマの陰に隠れてしまうので話題にならないところはしょうがないでしょう。
作 和田 慎二 発 白泉社 掲 花とゆめ 年 1976~1983
花より男子
少女漫画界の王者というべき作品。実写ドラマは原作ストーリーをエンディングまでやり切った数少ない作品。
ドラマ版の人気と癖の少ない絵柄とで、男女問わず支持を得ている作品。特に海外からの人気は高く、台湾や韓国でもドラマ化されている。――まあ、このように御託を並べずとも、5800万部という少女マンガ史上最大の売り上げがその人気を証明していますが。
設定だけ見れば女性版山田太郎ものがたりといった所でしょうが、ストーリーは超本格的な恋愛物です。まさしく王道を征く作品といえるでしょう。ミーハーな面はありますが、読んでおくべき作品ともいえるでしょう。
作 神尾 葉子 発 集英社 掲 マーガレット 年 1992~2002
リボンの騎士
マンガの神様「手塚治虫」の代表作の一つです。成人漫画や少年漫画のイメージがある手塚治虫ですが、可愛らしい絵柄も持ち味の一つでしたので、そう考えれば別段少女漫画を描いていても不思議はありません。
古典的漫画の一つですが、本格的なストーリーを少女漫画にもちこんだ初めての作品です。バトル漫画にして変身物という後の少女漫画の先駆けとなった作品です。
難点として、手塚治虫は同一シリーズの作品でも頻繁に出版社を変えるため、単行本として全ての話を読むのは非常に困難なことが挙げられます。手塚治虫個人の全集などを読むことをお勧めします。
作 手塚 治虫 発 講談社 掲 少女クラブ等 年 1953~1997(断続的)
花ざかりの君たちへ
堀北真希が主演を務め人気を博した実写ドラマの原作です。ドラマの愛称『イケパラ(イケメンパラダイス)』が流行る前は『花君』として愛されていました。
設定上主な女性キャラクターが主人公ただ一人ということもあり、非常に目立ちます。これは実写ドラマではより顕著です。代わりに、これでもかという程男性キャラクターが登場します。イケメンだらけのパラダイス『イケパラ』の愛称は伊達ではありません。
キャラクターが多い分個性は強烈。彼らによるコメディーは見応えがあります。と同時に、りっかりとした恋愛要素も持っており、王道的なストーリーも楽しめます。近年を代表する少女漫画の一つといえるでしょう。絵柄も柔らかいため読みやすいのも魅力です。
作 中条 比沙也 発 白泉社 掲 花とゆめ 年 1996~2004
夏目友人帳

写真は花とゆめコミックスの物
今まで紹介した作品の中で、おそらく最も少女漫画らしくないない作品。
原作アニメの人気上昇と共にじわりじわりと人気を得ていき、今や最も人気のある少女漫画の一つと言っても問題ないでしょう。ただ、やはり知名度はアニメの陰に隠れている面もあるようです。
アニメの影響で、わざわざ説明してもらうまでもないという方も多いと思われます。しかしあえて説明するならば、近年の少女漫画に多いさっぱりとしながらも崩しの少ない読みやすい絵柄、恋愛要素を可能な限り排した一話読み切り型のストーリー等を主な特徴としています。
ストーリーとして、この「友人」というのが物語の大きな主軸となるのですが、主人公と友人たちの織り成す物語は非常にアットホームかつさわやかで、ある意味バリアフリーな作品となっています。
作 緑川 ゆき 発 白泉社 掲 LaLa 年 2003~
会長はメイド様
女性キャラクターの人気が高い作品です。2010年にアニメ化された際は、女性キャラクターの出番がかなり追加されました。
女性キャラクターの人気が高く、アニメ版は男性も多く視聴していました。それもそのはず、萌え絵を意識したと思われる女性キャラクターは、同じく萌え要素の「メイド」と合わさって魅力となっています。
本格的な恋愛要素を持っており、少女漫画としても十分に楽しめます。ですが、少しベタなストーリーとも言えるでしょう。
作 藤原 ヒロ 発 白泉社 掲 LaLa 年 2006~2013
~少女漫画の起源~
始まり
日本における少女漫画は、女子向けの雑誌の一つのコーナーとしてスタートしました。1935年頃の事です。当時の作家は、『サザエさん』の作者「長谷川町子」に影響を与えた」「松本かづち」などが知られています。
1950年代には、現在の少女漫画の原型となる要素が誕生します。「手塚治虫」の『リボンの騎士』は少女漫画にストーリー性を与え、長いマツゲや大きな瞳など化粧を意識した派手な顔の書き方も登場します。この頃までの少女漫画は、まだ男性作家が主な時代です。
少女漫画雑誌へ
日本経済の発展に伴い社会に女性進出の余裕が生み出されました。それは少女漫画の世界にも起こります。
商業的発展を遂げた少女漫画は次第に雑誌内での比重を増やしていきます。少女漫画の需要増加にともない、新人漫画家がデビューできる余裕が生まれたのです。
以後、少女雑誌を読んでいた女性たちが続々とデビューを飾りました。また、需要の増加は漫画家の低年齢化も引き起こします。10代の漫画家が増加したのもこの頃の社会情勢が影響しています。
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